法的なトラブルや行政手続などの高度の専門性が要求される分野について生じる諸問題の中で、「何が問題なのか」という点は、その分野の専門家でなければ適切かつ迅速に判断できません。
依頼者ご自身が「Aという問題だ」と思っていても、その相談を受けた専門家が「Aというのは問題ではなく、問題はBだ」と判断することはよくあります。例えば、「本人は咳が続くから風邪が長引いているだけかと思っていたが、医師の診察を受けたところ、肺がんであることが判明した。」という話などは耳にされたことがあるのではないでしょうか。
どうしてこのようなことが起こるのかというと、そもそも「何が問題なのか」という問題点を把握すること自体に高度な専門知識やノウハウが必要になるからです。知らないことには気付けないし、気付けないことには問題意識をもちようがないのです。この問題発見のメカニズムを見落とすと、小さな問題が後から取り返しのつかないような大きな問題に発展してしまうこともありますので、気を付けていただきたいと思います。
そして、依頼者が直面しているトラブルがインターネットや書籍などで調べたものと類似しているような場合でも、あくまで「類似(似ている)」なのであり、少しずつ異なる部分が必ずあります。そのわずかな違いが結果の白黒を逆転させることもありますので、実際のトラブルについては、面談で資料を拝見しながら詳細をお聴きする必要があるため、「まずはご相談ください。」となるのです。